2007年01月14日 【ふるさと文化財】
自然と調和しながら治水する土木遺産

登録有形文化財◆牛伏川フランス式階段工◆
松本市牛伏川
かつて牛伏川上流は、その脆弱な地質と急峻な地形、さらに乱伐や山火事などにより荒廃が進み、崩落などによる多量の土砂の流出で河床が上がり、下流域はたびたび大きな水害に見舞われた。このため牛伏川砂防工事は、明治18年(1885)から大正7年(1918)まで33年という長い年月をかけて行われ、総延長8.5キロメートルに及んでいる。フランス式階段工は、この砂防工事の中でも特に急勾配な最終部分を克服するためフランスのプロバンス地方、南アルプスを流れるデュランス川サニエール渓谷の階段工法の設計をそのままに施工した階段式の流路工と山腹工である。延長141メートルの石張り水路に19段の段差を構築。急な水の流れを緩和しながら周囲の景観ともみごとに調和している。竣工後88年を経過した現在では、緑豊かな自然環境も回復し、周辺にはキャンプ場や遊歩道、水遊び広場も整備され、かけがえのない市民の憩いの場をつくりだしている。












