2007年05月13日 【ふるさと文化財】
悲しい伝説が静かに眠る池のあと

◆真菰が池◆
伊那市富県貝沼
かつて伊那市富県の貝沼の里に、竹藪に囲まれ水鳥が羽を休めた大きな池があり、真菰(まこも)が池と呼ばれていた。その昔、ある武士がこの池でつがいのおしどりが遊んでいるのを見つけ、弓矢で雄鳥を射殺してしまった。その一年後、今度は雌鳥が一羽でいるところを射抜いてみると、先に殺した雄鳥の首を翼の中にしっかりと抱いて死んでいた。武士はおしどりの情愛の深さに心を打たれ、その罪の深さに二度と殺生はしないと誓い弓矢を折り仏門に入って旅に出て後にこの池の近くに草庵を結んでその霊を弔ったという、おしどり伝説が残されている。慶応2年(1866)に高遠藩の許可が下り開墾されて一帯すべてが水田になり、かつての大きな池の面影は残されていない。しかし現在、記念の石碑と復元された小さな池がつくられ、はるか昔、真菰が池を舞台に悲しい伝説が生まれたことを今に伝えている。












