2007年06月10日 【ふるさと文化財】
塩尻の悠久を今に伝える満開の桜

重要文化財◆小野家住宅◆
塩尻市塩尻町仲町
塩尻宿は下諏訪宿と洗馬宿の間に位置する中山道の宿駅で、伊那地方を経て三河国(愛知県東部)に至る伊那街道(三州街道)の起点。宿場は東から上町・中町・下町と呼ばれ、中町の南側には問屋をはじめ本陣・脇本陣があり、北側には宿の中でも上質の旅籠が軒を並べていた。なかでも小野家住宅は、屋号を「いてふや(銀杏屋)」という大旅籠であった。国の重要文化財にも指定され、江戸時代末期の天保7年(1836)頃の建築とされる。切妻造桟瓦葦屋根の総二階建てで、二階に六畳から十二畳の広さを持つ五つの客室を設けていた。それぞれの板壁や建具に鶴や鹿、松、もみじなどが描かれ室名ともなっている。特に「桜の間」には、家名にあやかった銀杏の床柱が床の間にしつらえられ、天井から板壁、天袋小襖にわたり極彩色の満開の桜が描かれている。行き交う旅人たちで賑わった当時の様子を今に伝え、明治15年(1882)の塩尻宿の大火にも焼失を免れた、数少ない建造物である。












