2010年12月28日 【ふるさと文化財】
運を開き災厄を払う、憤怒の坐像

― 松本市重要文化財 ―
◆王徳寺 不動明王坐像◆ 松本市寿北9-10-1
王徳寺は牛伏寺の末寺で真言宗智山派の寺院である。尊栄大和上の開基とされ、本尊に大日如来と不動明王を祀り、山号は加擁山。正徳元年(1711)以前は不動寺と呼ばれていた。天文年間(1532~1554)以降小笠原氏の帰依厚く、特に小笠原貞慶は不動明王を開運不動として尊崇したといわれる。
東国六体不動尊の一つ「信州中山不動尊」として広く信仰され、県内最古の明応8年(1499)の作である。
この不動明王坐像は、高さ90.4センチメートル。右手に煩悩や邪気を払う鋭い剣を、左手に索と呼ばれる太い縄を持ち、つり上がった眉と目、むき出しの牙、額にしわを寄せ、激しい怒りの相を浮かべる憤怒の仏である。光背は、大樹に住み、竜を食べるという空想上の巨鳥「かるら鳥」が羽を広げた火炎光背である。降りかかる災いを剣で払い、縄で縛り、幸せは左に垂れる髪を伝って頭上の蓮に花開くといわれ、縁日や大祭には、多くの信者でにぎわう。
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